こんなバージョンも?『ゾンビ 日本初公開復元版』11月29日より上映開始!バージョン違いを徹底解説!

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世界に「ゾンビもの」を定着させた不朽の名作『ゾンビ』。

その日本公開40周年を記念して、「日本公開40周年-日本初公開復元版-」が2019年11月29日に公開されることが決定しました!

 

今回は『ゾンビ』のバージョン違いやその影響について、徹底的にお教えいたします!

まずは基本の3+日本に馴染み深い1から

『ゾンビ』は公開時点で、すでに3つのバージョンが存在しました。

その特性をわかりやすく表現すると、国際版・アメリカ版・粗編集版の3種です。

それぞれ一般に「アルジェント版」「ロメロ版」「ディレクターズ・カット版」と呼ばれています。

 

更に『ゾンビ』の日本配給を担当した日本ヘラルドは、

アルジェント版の日本公開の際に、

ゾンビ発生の原因を説明するオープニング(本来は原因不明)を付け足して劇場公開、

第4のバージョンである日本初公開版を生み出しました。

今回復元されるのはこの第4のバージョンです。

なんでバージョン違いが生まれたの?

最初からいくつものバージョンが生まれた理由は、制作過程にありました。

 

『ゾンビ』の監督、ジョージ・A・ロメロは、

ゾンビこと「生ける屍(リビングデッド)」を考案し、

1969年に『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を制作して世に出しました。

 

その後もホラーを撮っていた彼に目をつけたのが、

グロテスクなホラーを芸術的な映像で描きだした『サスペリア』

の監督、ダリオ・アルジェント。

 

彼はロメロに共同出資を申し出て『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の続編制作を持ちかけ、

ロメロが起こしたローレルグループプロダクションが英語圏の配給を、

ダリオ・アルジェントが非英語圏の配給を担当することとなりました。

こうして誕生したのが『ゾンビ』です。

 

アルジェントはスポンサーを集め、

『サスペリア』を始めとする自身の映画で音楽を担当したゴブリンに楽曲提供を依頼するなど、

プロデューサー的な立ち位置で制作を引っ張ります。

 

一方ロメロは監督に専念し、『ドーン・オブ・ザ・デッド』のタイトルで作品を制作します。

撮影終了後、まずはロメロが国際映画祭向けの粗編集を行いました。

これが後のディレクターズ・カット版です。

 

その後、ロメロは自ら英語圏での公開のために編集を進め、

アルジェントから提供された楽曲をある程度使いつつ、

終末もののテイストが漂う重くて暗いホラーとして本作をまとめました。

これがロメロ版です。

 

一方アルジェントはロメロが撮影したフィルムを独自に編集し、

ゴブリンの楽曲をふんだんに用いてサバイバルアクションホラー仕立てに仕上げ、

『ゾンビ』のタイトルで世界へ売り出します。

これがアルジェント版となります。

 

アルジェント版が世界へ流通する際には、

必然的に各国の配給元が字幕挿入や吹き替えなどの作業が行われます。

日本ヘラルドが独自の設定でゾンビ発生の原因を仕立て上げ、

オープニングへ挿入して日本初公開版を生み出したのはこのタイミングです。

この際、日本以外ではそこまで強烈な改変は行われなかったらしいのですが、

やはりシーンカットなどの編集は各国で行われたとのことです。

 

こうしてまずは3つ、更に日本で1つの明確なバージョン違いが生まれた本作。

実はその後にややこしいバージョン違いを生み出すことになります。

音楽が別の映画に!「サスペリア版」の衝撃

『ゾンビ』は世界的にヒットし、人間の姿を留めた怪物「リビングデッド」も「ゾンビ」として知られていくようになりました。

 

大ヒット作の常として、テレビ放映があります。

『ゾンビ』もテレビ東京系列の木曜洋画劇場にて、日本公開の翌年1980にはテレビにかかる……のですが、

ここで謎のバージョン違いが誕生することとなりました。

 

それが『ゾンビ 日本初公開復元版』の宣伝PV冒頭でも大々的に触れられている『吹替版 サスペリア版』です。

 

ゾンビなのにサスペリアとはこれ如何に?

その由来はBGMにあります。

なぜか本来のものではなく、

『サスペリア』のものを中心に

他作品から流用されたものだけで構成されていたのです。

 

更に、吹き替えにも問題がありました。

テレビの放送時間に合わせシーンを削ったり、

残酷シーンなどに編集が入るのはまだ当然といえますが、

サスペリア版では謎の意訳が多数炸裂、

シーンが全く別の意味に変わる程の改変が行われることとなりました。

 

映像面でもオープニングのゾンビ発生の理由を、

日本公開版以上に強調するなどの謎の編集が施されました。

 

映画のテレビ放映で、

本作のように大々的にBGMが差し替わるという例は他にありません。

それが証拠に、ゾンビサスペリア版は放送直後にテレビ局に抗議が殺到、

更に新聞への投書まで行われるほどに徹底的な非難を受けることとなりました。

 

後に吹替版は修正され、

BGMは本来のものに準拠した形に差し替えられ、

一部セリフの再収録も行われました。

結果、オリジナル短縮吹替版だけで、2つの吹替版が世に存在することとなったのです。

 

更に後年にはビデオソフト用に、

カットされたシーンの吹き替えを追加収録したバージョンが誕生し、

これもまたバージョン違いとなりました。

幻の完全版と、勝手に作られた完全版

さて、ゾンビにはディレクターズ・カット版よりも

更に削除点の少ない、

完全版が存在する(した)と言われています。

 

それは単なる無編集版ではなく、

追加シーンも含まれているそうです。

 

このバージョンは、現在出回っていません。

しかし、本作のメイキング映像

「ドキュメント・オブ・ザ・デッド」内に一部が収録されており、

ファンの間では知られた存在です。

 

更にDVDの時代に入り、

アルジェント版にディレクターズ・カット版のシーンを追加したファイナルカット版が登場します。

 

挿入の仕方はかなり乱暴で、

音が切れたり重なったりと非常に評判は悪いようです。

 

これが個人が作ったものが口伝されてというのであればバージョン違いには含まれませんが、

ドイツでDVDソフトとして正規に販売されたため、

これも一つのバージョン違いに組み込まれることとなりました。

9種類以上のバージョン違い、これはギネス級

これまでまとめてきたものは、全部で9種類となります。

ここまで多くのバージョン違いがある作品は、

そうありません。

 

これはひとえに作品の人気が理由と言えるでしょう。

また、最初から国によって「ロメロ版」「アルジェント版」の違いが見られたのも各国ファンの興味を誘ったのかもしれません。

それでも日本初公開版や吹替版 サスペリア版のような謎の存在が出てくる理由はわかりませんが……。

 

ともかく、今まで幻として語られていた日本初公開版が復元されるのは、

好事家のみならずリアルタイムで劇場公開版を見たファンにとっても魅力的でしょう。

私は当時生まれていなかったため、

噂にしか聞いていなかった幻のバージョンが拝めるのが楽しみです。

 

11月29日が楽しみですね!

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